怪談

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 こんにちはカマキリでございます。皆様は心霊現象などに遭遇したことはございますでしょうか?ワタクシは幸か不幸か霊感がないため幽霊などを見たことがなく、怪奇現象にあったこともございません。ただ、一度きりを除いて…。本日はワタクシの体験した不思議な出来事について語らせて頂きたいと思います。

❒ 2010年の夏のことでございます。

 ワタクシは新宿歌舞伎町で飲んでおりました。

 いつものように店を後にしたワタクシは、タクシーに乗ろうと通りを出ましたが、その日は全くタクシーが取れず、意を決して、歩いて帰ることにしたのでございます。

 新宿からワタクシの家まで歩いて1時間ほど。無理をすれば歩いて帰れる距離でございます。

 30分程、歩いたでしょうか、ふと前を見ると小学生位の男の子がこちらに向かって歩いてくるのでございます。

 携帯を見ると時はまさに丑満(うしみつ)時、うげっと思いながらも、ワタクシはまるで何も無いような振りをして歩を進めていきました。

 彼との距離が5メートル位になったでしょうか、ワタクシは何気なく少年の顔を見ると、彼は食い入るような眼差しでこちらを見ているのでございます。

 その目は変態のオッサンを見る疑いの眼差しというより、全てを吸い取る魔物の目でございました。

 ワタクシはもう怖くなりおもむろに顔を背けてしまったのでございます。

 その時です。

 『ケタケタケタ』

 少年が笑ったのでございます。

 ニヤリでも、ニコニコでもございません。彼はハッキリとケタケタケタと笑ったのでございます。

 ワタクシはそんな笑いを今まで見たことがありません。人はそんな笑い方をいたしません。

 凍りついたワタクシは20メートル位、まっすぐ前を見て歩き、直ぐに後ろを振り返りました。

 いませんでした。

 ワタクシと彼が歩を進めていた通りは直線で200メートルほど。

 金網で囲われている公園沿いの通りなので途中で横に入る道はございません。

 いるはずです。見えるはずです。でもいませんでした。

 それ以来、ワタクシは新宿に行くことができませんでした。もう怖くて、怖くて。

 今から振り返れば、あれはお腹が空いた少年がコンビニに買い物に来ただけなのかもしれません。

 ただ、二ヶ月後にタクシーから見た花束は何を意味するものだったのでしょうか。

 以上、カマキリColumnでした。

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