こんにちはカマキリでございます。人は美を求めます。しかし、そう安々と手に入るものではございません。しかし以前、その美を手に入れる方法を、見事なまでのプレゼンテーションにより教えてくれた東南アジア人の女性に会ったことがございます。そこで本日は、ストリートイングリッシュ第8話『凄腕!! 美の販売員!!』 と銘打ち、その女性の、見事なまでの美のプレゼンテーション表現をご紹介したいと思います。
❒ その女性と出会いましたのは2005年頃だったと思います。
新宿歌舞伎町でのことでした。
最初は、ありきたりな話をしていましたが、その女性はしきりと不思議そうな顔でワタクシの顔を見ますので、てっきり顔に何か付いているのかと思い、
「顔が、どうかした?」
と聞きましたなら、その女性はマジマジとワタクシの顔を見つめ、
「顔のメンテナンスしてる?」
と聞いてきたのでございます。
ワタクシは予想もしなかった問いかけに答えを窮し、
「えっ?何か必要?」
とリアルに返してしまったのでございます。
❒ 実はワタクシ、この頃から、自身の崩れを、そこはかとなく感じていたのでございます。
キッカケは証明書の写真でした。
この2、3年前に何らかの目的でインスタント写真を撮ったのですが、それを見たワタクシは、
「何、このオッサン…」
と思わず愕然。
しかし、愕然としても対処の仕様がないので、そのまま放置。
若い頃と違い、当然のようにそういった状況に慣れる。
また写真をとって愕然・・・と、もうどうにも止められない陥落スパイラルに陥っていたのでございます。
なのでワタクシは若い頃であれば、オイ!となるような発言でも、かなり平気。
❒ そんなワタクシの素っとぼけたリアクションが彼女の何かを触発したのか、さらなる追撃。
「何とかした方がいいよ。」
「何とかって?」
ワタクシは最早、この状況を楽しもうという気になり、自分を実験台にする決意に到ったのでございます。
彼女が言うには、ワタクシはシワシワになりやすい肌質らしいとのこと。
ただ、そういう人の方が早い段階から自分の劣化を認識しやすいので素早い対処ができる。
❒ そして彼女は、携帯を取り出し、
「いいものを教えてあげる」
と言って、あるサイトを紹介してくれたのでございます。
そのサイトは、通販サイトでしたが、ワタクシは何か買わされるのかと思い、
「何か買わなきゃならないの?!」
と、声を震わせながら聞きますと、そんな訳ないじゃん!と笑いながら、
「これ、凄くいいから!」
と言って、一つの商品を指差したのでございます。
その商品は、美顔器でした。
ひと頃、よくテレビの通販番組などで紹介されていました、あのコロコロの付いたものです。
彼女の話によりますと、この美顔器は顔の皮膚の下にある細胞を刺激し活性化させるとのこと。
❒ さらに、彼女はバックから、そのコロコロを取り出し、
「使ってみて」
と、さりげなく言い、ワタクシにコロコロを手渡したのでございます。
ワタクシは少し申し訳ない気分になり、
「いいの?」
と聞きますと、いいから使ってという眼差しで頷きましたので、ワタクシは、エイヤーっとコロコロを顔に当てたのでございます。
しかし、使ってみて驚きました。
まず、ひんやりした感じがとても心地よく、また、コロコロしていると顔から力が抜けていく感じがして心が無限の解放感に包まれたのでございます。
ワタクシは、最早、美容がどうのこうのというより、ストレスを発散させるための手段として、美顔器を考え始めたのでございます。
ただ、やはり美顔器と言えば女性のものという考えが頭から離れず、
「でも、やっぱり抵抗があるな」
と申しますと、彼女はキッパリと、
「Throw yourself away. No venture, no gain」
(自分を捨てなきゃ。沈んでこそ浮かぶ瀬もあるよ)
と返してきたのでございます。
❒ その後、ワタクシは彼女のプレゼンテーションの影響で美顔器を買うことになりましたが、一見、アホのように思えるこの選択も、新たな発想を得るという意味では、非常に意義のあるものでした。
ちなみに彼女は、化粧品の販売を生業としていましたが、もし仮に、ツボか何かの購入をすすめられたとしても、
「間違いなく買ってしまっただろうな〜」
と、しみじみ思うほど、彼女のセールストークは絶妙なものでございました。
以上、カマキリColumnでした。
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