こんにちはカマキリでございます。世の中には信じ難い能力をお持ちの方がいらっしゃいます。ワタクシは以前、この方は時空を越えて来たトラベラーではないかと思わせる男性に会ったことがございます(少々、大袈裟ですが)。そこで本日は、ストリートイングリッシュ第4話『トラベラー 南方からの預言者』と銘打ち、その男性が伝えてくれた予言的メッセージをご紹介したいと思います。
❒ 2000年に入った頃でしょうか、ワタクシは一人のシンガポール人の男性と出会いました。
その日、ワタクシは六本木にあるダンス倶楽部におりました。
当日は週末ということもあり、大変、混んでいましたが、運良く顔見知りの男性がいて、
「ここが空いてるよ。」
と、席を作ってくれたのでございます。
ワタクシはそこに座ると、横には東南アジア系の5、6人の男女のグループがいて楽しそうに時を過ごしておりました。
ところが、その中に明らかに浮いている男性がいたのでございます。
彼はどことなく所在なさげでしたが、ワタクシはそんな事はお構いなしに、知人の男性となんやかんやと話をしていたのでございます。
❒ 暫くすると、横に座っていたそのグループの女性が声をかけてくれて、ワタクシ共は、自己紹介がてら、色々な話をいたしました。
どうやら、彼女達のグループはシンガポールからの留学生の仲間らしく、たまに会っては旧交を温めているとのこと。
さらに、この女性はまだ日本に来て間もないということで、ワタクシに、
「なぜ日本では☓☓なの?」
と、留学生アルアルを連発してきたのでございます。
ワタクシは母校に留学生の方が多かったこともあり、こういった状況はとても好きなので、拙い英語で懇切丁寧に説明したのでございます。
ひとしきり話し終わると、彼女は、日頃のストレスを発散させるべく、他のメンバーと踊り始めました。
❒ 一方、ワタクシの方は、何気なくボーっとしていましたが、程なくすると、例の浮いていた男性が、
「飲む?」
といって、ワタクシにビールを持って来てくれたのでございます。
ワタクシは、
「ありがとう」
と礼を述べましたが、少々、気になっていたことがあったので、彼に聞いてみました。
「どうして、皆と話したり踊らないの?」
実は、他のメンバーと話をしている時も、彼は何となく上の空で、一人、ポッンとしていたのでございます。
ところがワタクシの無礼とも思える質問に彼は、
「いつもの事だよ。」
と、満面の笑みで返してきたのでございます。
彼の話によると、このグループは高校からの友人で、彼が言うには、
「皆、良いやつなんで、変わってる自分でも相手にしてくれるのさ。」
ということで、そこから彼は、グループの皆と出会った経緯を事細かに教えてくれたのでございます。
❒ 彼は少年時代、それは厳しい目に会っていたとのことでした。
元々、内向的な性格で余り他の人と馴染むことができず、友人も皆無だったそうです。
しかし、高校に入り、このままではいけないと、友人を作ろうとしましたが中々、上手くいかない。
そこで彼は、厳しい少年時代に培った観察眼を駆使し、どのグループに入れば自分が一目置かれる存在になるかを調査したとのこと。
彼が言うには、メンバーの容姿や才能とかは余り関係なく、重要なのはグループ自体の個性で、成功しているグループは、多様性があり、失敗しているグループは、陰湿であったそうです。
「だって、細胞だって様々な刺激があれば活発化し、内向きな力が働けばダメになるだろ?」
と、自らの法則を分かりやすく解説してくれました。
そして彼は確信を持って呟いたのでございます。
「Well, Insidious things always end up collapsing.」
(まあ、陰湿なものは必ず崩壊するからね)
ワタクシは彼の壮絶な経験を伴う心の声に対して、茶々を入れるわけではなかったのですが、
「でも、その陰湿さもバレなければ大丈夫なんじゃない?」
と問いますと、彼は、
「それは昔の話。今はインターネットで情報が瞬時に流れるので、全てがバレバレなんだよ。」
と答えたのでございます。
さらにワタクシは、この問題に自らが納得した回答が欲しくなり、
「それでも、インターネットだと情報は歪められやすいんじゃないの?」
と聞きますと、彼は、
「人はインターネットで情報の真贋を判断するための訓練を無意識に受けているんだよ。騙された振りをすることをふくめてね。」
と返してきたのでございます。
ワタクシは彼の言葉を聞いたときに、将来に繋がる重大な啓示を受けた気が致しました。
❒ さて、彼はその後、自らの観察眼により、このグループを選んだとのことでした。
ただ、いくら自分が選んでも、メンバーが自分を認めてくれなければ何にもならない。
そこで、彼は猛勉強をしたそうです。
そして、自らの性格を直すことも。
彼、曰く、以前は自分でも嫌になるほど陰湿だったとのこと。
そして、その欠点をメンバーの皆に言い、もし、それが表れたなら厳しく指摘して欲しいと宣言。
そのかいあってか、彼はグループの皆に認められ、今の状態があるとのことでした。
「本当に、このグループに入れてよかった…。」
彼はつくづく申しておりました。
❒ そしてワタクシに、何か判断に迷いが生じたら、多様性を軸にすればいいと繰り返し申しておりました。
それから彼は幾つかの将来の展望について予言めいた言葉を発していましたが、20年経った今、それがことごとく的中している現実を目の当たりにすると、彼は本当にトラベラーだったのではないかなどと思ってしまうワタクシでした。
以上、カマキリColumnでした。
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