こんにちはカマキリでございます。過去の歴史を振り返ると、占星術の才能に恵まれた方々が国家の意思決定に大きな影響を与えたケースがございますが、ワタクシレベルで大変、恐縮なのですが、ワタクシも以前、自らの将来を決定づける意思決定に大きな影響を与えたヨーロッパ人の女性に出会ったことがございます。そこで本日は、ストリートイングリッシュ第12話『最強?!の占い師』と銘打ち、その方の金言についてご紹介したいと思います。
❒ その女性と出会いましたのは、2000年に入った頃だと思われます。
新宿歌舞伎町でのことでした。
その女性は異常に眼光が鋭く、初めて会った時にはワタクシも一歩引いてしまう程でした。
ただ、話してみると意外に朗らかで、ワタクシは、見た目と随分、違うな〜という思いで彼女と話をしていたのでございます。
❒ ひとしきり話したところだったでしょうか、突然、その女性が、
「手相を見てあげる」
と言ってきたのでございます。
ワタクシは、言われるままに手を広げ、手相を見てもらいました。
彼女は食い入るようにワタクシの手を見ていましたが、程なくすると、
「良い手相ね」
と、マジマジとワタクシの顔を見つめて言ってきたのでございます。
ワタクシは、興味無さげに、
「ふ〜〜〜〜ん」
とか言って返しました。
実は、ワタクシ、なぜかいつも手相を見てもらうと、そのようなことを言われ、結局は本人の努力次第ということに、その頃から薄々気づいておりましたので、そのようなリアクションになったのでございます。
一方、彼女の方は、そんなワタクシの内心の思いなどはお構いなしに、手相から見たワタクシの進むべき道を示し始めたのでございます。
彼女が言うにはワタクシは芸術的センスがあるらしい。
「あなたは、この線とこの線が交差してるからアーチストに向いてる」
彼女は、確信を持った眼差しで言ったのでございます。
しかし、その言葉を聞いた時から、ワタクシは不信感100%。
なぜなら、ワタクシは、芸術的センスがゼロだからでございます。
その後も彼女は、ワタクシの知らない占星術用語を駆使し、ワタクシをアーチストに仕立てようとしてくる。
ワタクシは、正直、もういたたまれなくなり、
「残念だけど、芸術的センス、ゼロなんだ。だって学生時代の美術の成績、壊滅的だもん」
と申しますと、
「かつての天才達は、子供の頃は独創的過ぎてまわりから理解されなかったの」
とか言う始末。
❒ さらに、彼女は、
「芸術的スタンスで生活を送っていれば、創造性のある精神が形成されるの」
と申しますので、
ワタクシはフッと同様な趣旨のことを言う経営理論を学んだことがあるので、
「戦略が理念を作るわけ?」
と問返しますと、
「そうとも言えるね」
と返してきたのでございます。
当時のワタクシは、これと真逆の考えを持っており、これは聞き捨てならないということで、
「理念が戦略を作ると思うよ」
と強く返しました。
しかし彼女は、それは全く違うと大きく手を振り否定してきたのでございます。
彼女が言うには、良い方法は良い結果を生み、その成功体験が良き理念を作るとのこと。
一方、ワタクシは、良き理念が良き戦略を作ると反論。
しかし、ワタクシの理論は、これを繰り返すばかりで、かなり脆弱。
だが彼女の理論構成はそれは見事なものでございました。
一般的な成功体験を例にとり、その蓄積が良い方向で精神に影響するなど、それはもう見事なフィードバック理論。
そして何より彼女の理論に惹かれたのが、成功してるからこそ捨てることも出来るという一言でした。
確かに、彼女の言うように周りの環境はどんどん変化しているので、一つの方法に拘泥することはできず、だからどんなに良い方法でも時に勇気をもって捨てなければならない。
でも、成功する戦略とそれを支えるマインドを持っていれば、また新しいものをいつでも作ることができるので安心して捨てることができる。
ワタクシは、正直、徐々に自分が間違っているのではないかと思い始めたのでございます。
そんなワタクシを見て彼女が一言。
「After all, in your words, Strategy gives birth to philosophy.」(やっぱり、あなたの言葉を借りるなら、戦略が理念を生むわね)
この言葉を聞き、ワタクシは長年信じてきた戦略と理念の関係性について方向転換する決意に至ったのでございます。
その後、ワタクシは自らの人生を変える大きな意思決定をする機会を得ましたが、彼女のこの言葉を実践することにより、何とか今日まで頑張ることができた次第でございます。
いずれにしても、占星術という雲を掴むような話から確固たる理論構成で相手の意見に影響を与える彼女の術を目の当たりにし、
「彼女は占い師さんより政治家に向いてるな〜」
とつくづく思ったワタクシでございました。
以上、カマキリColumnでした。
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