ストリート・イングリッシュ第11話『愉快なイケメンハスラー』~Don’t hesitate to try to be cool. 「カッコつけることに躊躇するな」~

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 こんにちはカマキリでございます。ワタクシは、ビリヤードが大好きでございます。下手ですが。ただ意味もなく真面目に取り組んでしまうところがあり、興味を無くしてしまうことが多々ありましたが、以前、このビリヤードの本当の楽しみ方を教えてくれたアメリカ人の男性に出会ったことがございます。そこで本日は、ストリートイングリッシュ第11話『愉快なイケメンハスラー』と銘打ち、その方が教えてくれた、ビリヤードを楽しむための核心的表現をご紹介したいと思います。

❒ 2005年頃だったでしょうか、ワタクシは、何の気無しに渋谷のビリヤード場に入り、一人でビリヤードをしておりました。

 その頃は、相当にタフな時期でしたので、ワタクシは、あれこれ考えながらビリヤードをしていましたが、程なくすると、若い白人男性の方が、

 「一緒にやらない?」

 と声をかけてきてくれたのでございます。

 その男性はアメリカ人の方で金融関係のお仕事をしており、まだ日本に来て間もないとのこと。

 ただ、パッと見、かなり遊んでそうな感じがしたので、

 「う〜〜〜ん、これはまずい殿方に声をかけられたな〜」

 と暫し躊躇していましたが、彼はサッサとラックを組み始めましたので、

 「え〜〜い、行ってしまえ!!」

 と、ワタクシは意を決してキューを握ったのでございます。

❒ しかし、いざ始めてみると、彼は意外にも下手でした。

 ワタクシは彼のプレイを見て、

 「これは良いストレス発散になるな」

 と、完璧、上目線でゲームを進めていったのでございます。

 ところが、4ゲームほど勝った所で、突然、彼の目つきが変わりました。

 その後は、彼の独壇場。

 ブレイクエース含めて彼の6連勝。

 ワタクシは、やっぱりな〜という感じで、

 「もう、ド素人相手にやめてよ~」

 と言いますと、

 「どこの世界に知らない相手にいきなり本気を出す奴がいると思う?」

 と返してきましたので、思わず納得。

❒ さて、格上と分かれば後は教えてもらいまくるワタクシの性分ですので、それからは彼への教えてください攻撃。

 しかし、彼は全く嫌な顔をせずに色々教えてくれました。

 まず、

 「どんな感じでビリヤードの練習をした?」

 と聞いてきましたので、ワタクシは、真っ直ぐ打つ練習とか、オンラインゲームで球の角度を研究してるとか、ありきたりな返答をすると、暫し考え込んで、

 「皆、同じなんだよな〜」

 と返してきたのでございます。

 彼が申しますには、アマチュアレベルでは効果的な練習方法はある程度確立されており、後は反復すれば良いだけとのこと。

❒ そして彼はビールをグビッと一飲みし、

 「君は何がしたいの?試合に出たいの?それとも、ゲームを楽しみたいの?」

 と聞いてきましたので、ワタクシは、率直に、

 「ゲームを楽しみたい」

 と答えますと、

 「それなら、もっとカッコつけなきゃ!!」

 と返してきたのでございます。

 彼が言うには、ワタクシは、格好良く見せたいけど、それをひた隠しにしてるらしい。

 ワタクシは正直、自分の本当の気持ちを言い当てられて、少々、気恥ずかしい気がいたしました。

 そのあと、彼は、

 「君は手が長くて手首が柔らかいから、普通のやり方じゃなくてキューを手の上に置いて打ってみたら」

 と続け、ワタクシの長所と短所を見事に指摘し、カッコ良く見せるためのテクニックを存分に披露してくれたのでございます。

 そして、いきなり携帯を取り出し、

 「ちょっと打ってみて」

 と言いますので、ワタクシはいつもどうり打ちますと、

 「もっとカッコつけて!!」

 とダメ出しが出ましたので、え〜〜〜い、いくよ師匠〜〜~という感じで、彼の教え通り、体の力を抜き、常に斜め45度のカメラを意識し、めいいっぱいカッコつけて打ったのでございます。

 そこを、パシャり。

 「ね、こんなに違うだろ?」

 彼が見せたくれた二枚の写真は明らかに違いました。

 最初の一枚目は、何か硬い感じがして一言で言えばドンくさい感じでしたが、二枚目はシャープな感じがしてかなりいけてる。

 ワタクシが、

 「こんなに違うんだ~」

 と、しみじみ申しますと、

「Don’t hesitate to try to be cool.」(カッコつけることに躊躇しないで)

と、確信をもって返してきたのでございます。

 彼、曰く、ビリヤードはカッコつけることによってフォームが理想的なものになり、最終的に自分のものになるとのこと。

 だから、人が何と言おうがカッコつけた者勝ちなのだそうです。

 ワタクシは、彼の言葉を聞き、何か心に重くのしかかっていたものがとれたような気がいたしました。

 その後、彼と数ゲームいたしましたが、勝敗云々より、ホントにビリヤードが楽しいと思い、精神を見事に開放してくれた彼に感謝せずにはいられませんでした。

❒ ちなみに、その彼、超イケメン。しかも、かなり愉快な奴。

 ホアキン・フェニックスのお兄さんであるリヴァー・フェニックスを渋くした感じ。

 彼と一緒にビリヤードをしていて、ワタクシは生まれて初めて目がハートになっている女性を見ました。

 それも超多数。

 しかし、当の本人は全くそのことを気にしてない様子。

 一緒にいる時も、彼が日本の女の子にウケるギャグは何?と聞きますので、日本ではMr.Ken Shimuraというコメディアンのアイ〜〜〜ンが最も受けると教えましたなら、女性達に向かって、

 「アイ〜〜〜〜ン」

 とかする始末。

 また女性達も結構、ツワモノが多く、一緒に、

 「アイ〜〜〜〜ン」

 と返してくる。

 そして、彼、

 「ウッワハハハハハ〜」

 と大爆笑。

 ワタクシはこの時、彼的なカッコのつけかたにホッコリとしたものを感じずにはいられませんでした。

 以上、カマキリColumnでした。

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