こんにちはカマキリでございます。原価計算は、工業簿記、原価計算制度、管理会計等に区分され、日商簿記及び公認会計士試験等で必須の科目となっております。そこで本日は、ワタクシが用いておりました原価計算の勉強方法についてご紹介させて頂きたいと思います。
1. 原価計算って何?
原価計算は、原価計算基準ないし各先生方の専門書に諸々、定義がされておりますが、平たく言えば、『各原価計算目的を達成するための手段』と捉えることができます。
ここに原価計算目的は、財務諸表作成目的、原価管理目的、利益管理目的、戦術的意思決定目的、戦略的意思決定等に分類されますが、皆様が学ぶ各項目は、この中のいずれかの目的を達成するための計算手続と言えます。
2. 原価計算の計算システム
❒ 以前にも書かさせて頂きましたが、各科目は演繹的アプローチと帰納的アプローチにより、その強弱はあるものの理解することが可能となります。
原価計算は、簿記に比べれば演繹的手法を用いり易い科目と言えますが、利益管理などのように演繹的アプローチで深堀りするとドツボに嵌る項目もありますので、大枠を捉えたら後は帰納的手法により計算システムを構築することが最善であると思われます。
ここに原価計算の大枠とは、先に書かせて頂いた、各原価計算目的を達成するための手段という理解で十分であると思われます。
❒ 次に原価計算の計算システムですが、これは試験的観点から見た場合の原価計算の性質に大きく依存します。
ここに試験的観点から見た場合の原価計算の性質ですが、制度として規定されている原価計算基準をベースに考えた場合、原価計算制度(費目別計算から標準原価計算)と管理会計(直接原価計算から戦略的意思決定など)に分類することが有効と思われますので、原価計算の性質についても、その2つに分けて考えてみたいと思います。
まず、原価計算制度ですが、これは上で述べた原価計算基準に規定されているもので、この原価計算基準は昭和37年(1962年)に制定され、それ以降、一度も改定されていないという極めて完成度の高いものなので、試験科目的に安定しています。
つまり、他の科目のように新たな論点が加わることがないため、試験的なノウハウが蓄積され易いものとなっています。
一方、管理会計の方ですが、原価計算基準のような規定は存在しませんが、厳しい学会のコンセンサスを得て世に出てきますので、こちらも比較的、安定したものとなっています。
尚、品質原価計算に代表されるように、ある年度から突然、現れるものもありますので、この点は注意を要すると思われます。
以上の点を踏まえますと、原価計算は試験的に安定した科目ですので、充分にノウハウが蓄積されているため、まず、専門学校の先生方ないしはテキストにある解法に慣れるべきであるかと思われます。
但し、それらが皆様の趣向に合わなければ、皆様、ご自身で、いかに早く正確に解くかという視点で計算システムを構築するのが宜しいかと思われます。
3. 原価計算は罠の宝庫?!
上で述べましたように原価計算は試験的に安定した科目です。
なので、本試験では受験生を峻別するために、学問的な理論とは異なった方法が用いられることがあります。
それが一般的にトラップと位置づけられるものですが、代表的なものには、下の3つを挙げることができます。
(1)問題文に記載されている測定単位と解答で求められる測定単位が異なる。
例えば、問題文では☓☓千円とされているのに、解答では☓☓円と答えるものです。
(2)計算過程で分数を使わなければ割り切れないが、分数を用いることで端数のでない答えになる。
(3)計算上の重要な条件が、問題文中にさり気なく書いてある。
例えば、仕損品の評価額について、「当期には☓☓個の仕損品が発生したが(評価額@☓☓円)」というような感じです。
他にいくつかございますが、中にはその項目特有のトラップもございます。
したがって、ここは割り切って、いくつかあるトラップをご自身で列挙し、常に注意を喚起することが極めて重要かと思われます。
繰り返しになりますが、原価計算は試験的に安定しておりますので、時に驚くような方法で試験委員の先生方は受験生を試してきます。
なので、原価計算という理論を越えたところでの勝負が多々あるため、この点を念頭において日々の勉強に取り組まれるのが宜しいかと思われます。
以上、カマキリColumnでした。
コメント