こんにちはカマキリでございます。サイエンティストの方々は日々、ラボで自身が探求するテーマに向けて奮闘しているイメージがございますが、以前、そんなイメージに新たな側面を加えてくれた男性に会ったことがございます。そこで本日は、ストリートイングリッシュ第7話『道を究めし者 最強の科学者』と銘打ち、その男性が教えてくれたサイエンティストの真の姿を表した表現をご紹介させて頂きたいと思います。
❒ 2000年代に入った頃でしょうか、ワタクシは一人のマレーシア人の男性と会いました。
その男性とは知人を通して紹介されたのですが、彼は大学でサイエンスを研究しておりました。
ワタクシは、彼が探索する分野に非常に興味がありましたので、最初から質問攻めという感じでしたが、彼の方はワタクシが彼の扱う専門分野とは全く無関係ということで、最初は、結構、雑な感じでした。
それでもワタクシは、興味津々でしたので、彼に申し訳無いと思いつつも、質問をし、彼の話に夢中だったのでございます。
しかし、彼の方もワタクシの興味が並々ならぬものであることが分かったためか、徐々に、誠意を持って答えてくれました。
そしてワタクシが何の気無しに、
「アインシュタインを尊敬しているんだ」
と申しますと、彼の眼差しがキラッと光り、
「どうして?」
と聞きますので、
「だって1つの公式で世界を変えちゃったじゃん!」
と答えますと、彼は果然、乗り気になってきたのでございます。
❒ それから彼はサイエンティストの真の姿をワタクシに丁寧に教えてくれたのでございます。
彼がその話の中で、
「科学者は一見、ボーっとした人が多いのはどうしてだと思う?」
と聞きますので、ワタクシは、
「頭を使いすぎて休めてるのかな〜」
と答えますと、それもある!と妙に納得顔になりながら、
「常に頭の中でシュミレーションを行っているからだよ」
と教えてくれました。
彼の話によりますと、実験はラボの中で行うだけでなく、ラボの外でも頭の中で行っているとのこと。
「前提や仮説等を考える時には、ラボから離れて行った方がパフォーマンスが良い場合もあるんだよ」
と彼は説明してくれたのでございます。
❒ さらに、「そう言えば、この前、面白いことがあったんだ」と続け、
自らが経験したパラダイムシフト(既存の考えを根底から覆すような新たな発想の創出)の話をしてくれました。
彼はその頃、答えを見出すことのできないテーマに取り組んでおり、数年間にわたり苦しんでいたとのこと。
だが、一つのことをキッカケに、その問題を、アッと言う間にクリアしてしまったそうです。
それは日本人の学者さんによって書かれた全く異なった分野の論文を読んだ時、イメージが浮かび、それをベースに自分の取り扱っている分野に応用すると、信じられないくらいの速さと正確性で解決。
「戦略性のある継続的な努力と、全く異なった分野から得た発想によるアプローチの二つがパラダイムシフトのポイントかな」
彼は、しみじみと申しておりました。
❒ それから、彼と話をしている最中に、フッと感じたのですが、彼のボディがサイエンティストとは思えぬほどの細マッチョぶり。
そこでワタクシは、彼との話があらかた終わった頃、
「何か体を鍛えている?」
と聞きますと、ウンと頷き、自らの日々のエクササイズに関するルーティンを教えてくれました。
やはり、頭を極度に使うので体力が要り、また、良い気分転換になるのでエクササイズは必須とのこと。
しかし、それは1時間半にもわたり、もはやプロのアスリートを思わせるもので、ワタクシが思わず、
「スポーツ選手みたいだね!」
と申しますと、彼は、
「Real scientists are also real athletes.」
(真の科学者は真のアスリートでもあるからね)
と返してきましたのでございます。
それを聞きワタクシは、この言葉にこそ、サイエンティストの方々の全てが表れているんだろな~と思った次第でございす。
以上、カマキリColumnでした。
コメント