ストリート・イングリッシュ第9話『彼女は悪女⁈』~A true bad girl keeps a pure heart.「真の悪女は純粋である」~

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 こんにちはカマキリでございます。ワタクシは以前、とあるサイトで、悪女とは?というテーマの論争を見かけたことがございます。この時、自分自身に同じ問を投げかけてみましたが、明確な答えを見出すことができませんでした。しかしかつて、この問に対して斬新な答えを与えてくれた女性に会ったことがございます。そこで本日は、ストリート・イングリッシュ第9話『彼女は悪女?!』と銘打ち、その女性が教えてくれた目からウロコの悪女に関する斬新な定義をご紹介させて頂きたいと思います。

❒ 2000年を越えた頃だったでしょうか、ワタクシは上野で一人の東南アジア人の女性と出会いました。

 とにかく、その女性は一見するとアイドル歌手のように可愛らしいのですが、話してる内容が、う〜んという感じでしたので、ワタクシはできる限り回避しておりました。

 しかし、幾度となく会って話をしているうちに、意外に自身を客観視し、あけっぴろげなので、返って心地よくなり、彼女の話に聞き入ってしまったのでございます。

❒ 彼女の話によりますと、彼女は、とてもファンが多いとのこと。

 彼女、曰く、男性は、

 「待たせておけば自分の言いなりになる」

 らしい。

 ワタクシは、既に幾度となく彼女と話をしていたので、

 「そんなクラシカルな手、今どき通用するわけないじゃん!」

 と屈託なく言いますと、

 「そんなの分かってる。だから、その手で自分のいいなりになる人を見つけるの」

 と、恐ろしく冷静。

 さらに、ファン同士を焚き付けて、彼女に飽きさせないようにしたり、小出しでファンのニーズに応えるなど、それはもう悪魔の盲言。

 ワタクシは思わず、

 「悪い女だね〜」

 と、本音が出てしまったのでございます。

 すると彼女は、大きく手を振り、

 「姉には負けるわ」

 と、返してきたのでございます。

 どうやら、彼女のお姉さんは相当なワルとのこと。

 ワタクシは思わず、彼女をさらにバージョンアップした女性を思い出し、身震いしてしまいましたが、そんなワタクシを見て、彼女は冷静に、自らの姉について語りだしたのでございます。

❒ 彼女のお姉さんは10歳違いとかなり歳が離れていますが、しっかり者で家族愛に溢れた女性とのこと。

 「全然、悪女じゃないじゃん!」

 と返しますと、彼女は、

 「これだから男は…」

 という表情で大きく首を振り、続けたのでございます。

 彼女のお姉さんの旦那さんはとても有能な方で皆から一目置かれていますが、優秀すぎるが故に誰の言う事も聞かないらしい。

 ところが、お姉さんの言うことだけは聞く。

 しかし、そのお姉さん、時にとんでもないことを旦那さんに吹き込むらしい。

 彼女、曰く、

 「天然で相手のことを真剣に思っているからたちが悪いのよ」

 そしてお姉さんの旦那さんは間違っていることでも、なぜか聞いてしまい幾度となく窮地に陥っているとのこと。

 そんなお兄さんを見かねた彼女が、色々アドバイスをすると、

 「君の意図は丸わかりなので聞かない」

 と聞く耳持たず。

 確かに彼女の中には、お兄さんの影響力を利用して、自身の家族内でのポジションを上げたかったとのこと。

 「完全に読まれてるわ」

 と、彼女は吐き捨てるように言ったのでございます。

 そして、ホトホト参ったという表情で、

「A true bad girl keeps a pure heart.」(本物の悪女は心が綺麗なのよ)

 と呟いたのでございます。

❒ そういえば以前、彼女と同じようなことを言っていた知人がおりました。

 彼は、モテモテでしたが、なぜかお付き合いする女性は難敵が多く、ワタクシは、

 「どうして厳し目の子とばかり付き合うの?」

 と聞きますと、

 「だってニーズがハッキリしているから付き合いやすいじゃん」

 と返してきたのでございます。

 彼、曰く、いわゆる世間で悪女と言われている女性は、自分が欲しているものが明確であり、それを全面に押し出してくるので、後はそのニーズに自分が合っているかどうかを考えればいいだけとのこと。

 さらに、彼は、

 「世間で悪女と言われてる子は全然、悪女じゃない。一番、恐いのは、心が綺麗な真面目な子。だって、全然、読めないし、何か言うこと聞いちゃうじゃん」

 とシミジミと申したのでございます。

❒ ワタクシは、最初にこの東南アジア人の彼女の話を聞いている時には、随分、自分を正当化しているな〜と思いました。

 しかし今、ワタクシの横でビールを抱えてニコニコしている家内を見て、

 「彼女の言いたかったことは、このことだったんだな〜」

 とつくづく思うワタクシでございました。

 以上、カマキリColumnでした。

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