連結会計の勉強方法

連結会計の勉強方法
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 こんにちはカマキリでございます。公認会計士試験、あるいは日商簿記一級の合格には連結会計の克服が必須であると言われています。そこで本日は、ワタクシが行っておりました、これはお勧めという連結会計の勉強方法をご紹介させて頂きたいと思います。

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1. 「2つの企業を1つにした場合、どうようにすればよいのか」のみを考える。

 連結会計を勉強する際に、最初に学ぶのが、投資と資本の相殺消去です。

 (借)資本金/(貸)投 資

 という極めてシンプルな仕訳ですが、ワタクシは、この段階から躓きました。

 テキストには、連結会計の目的→取引形態→会計原則の考え方→…→よって、仕訳は…と非常に丁寧な説明がありましたが、結論に行き着くまでのプロセスが長すぎて、なぜ資本金勘定と投資勘定が対応するのかが分からなかったのです。

 「まっ、徐々に分かってくるだろう。」

 と安易に考え、ワタクシは取り敢えず先に進むことに致しました。

 そして、その後も各項目ごとに演繹的にブレイクダウンしていきましたが、同じようなことの繰り返しになり、結局、意味もわからず仕訳を覚えるという最悪の展開になっていたのです。

 そして、演習に…。

 結果は惨憺たるものでした。良くて3割、下手をしたら1割にも満たないことが度々、ありました。

 とにかく、意味もわからずに仕訳を覚えていたので忘れやすいですし、少し捻られると手も足も出なかったのです。

 流石にショックを受けたワタクシは、暫し呆然としてしまいました。

 そんな時です。投資と資本の相殺消去を考えている時に、フッと思ったのです。

 この仕訳は、最初に親会社と子会社が行った取引を逆仕訳で取り消してるだけではないのか?!

 支配関係が成立する段階では、

 (借)投   資/(貸)現   金

 (借)現   金/(貸)資本金

 この仕訳を1つにすると現金は貸借両方にあるから、

 (借)投 資/(貸)資本金

 そして、2つの企業を1つにするには、前の仕訳を無かったものとしなければならないので、逆仕訳で取り消して、

 (借)資本金/(貸)投 資

 「これだ!!」

 確信を得たワタクシは、演繹的にブレイクダウンする手法を捨て、2つの企業を1つにするにはどうしたらよいのかのみを考え、結論を導くという手法に切り替えたのです。

 この方法は極めて有効でした。時間も大幅に節約できましたし、何より、連結会計の本質が分かったため、自分で何をしているのかが分からなくなるということもなくなりました。

 皆様の中には、このような手法は短絡的過ぎるとお考えの方もいらっしゃると思いますが、実は皆様が連結の問題を解く上で用紙に書くタイムテーブルやボックス図には、この演繹的なアプローチのエッセンスが全て詰まっています。

 要するに、言葉で表すか図で表すかの違いなのです。

 なので、2つの企業を1つにするにはどうしたらよいのかのみを念頭に置き、結論を導き出すという手法を用いても何ら問題はないのです。

2. 逆進的発想で考える

 さて、上の方法で、短い時間で理解することは可能となりましたが、なかなか得点には繋がりませんでした。

 ご承知の通り、簿記は、仕訳→元帳→精算表→財務諸表という簿記一巡の手続に従って行われますが、ワタクシも当初は、この大原則に従い連結の問題を解いておりました。

 つまり、問題文を読み終えた後に、仕訳を書き、それを集計して解答するという方法をとっていたのです。

 ところが、この方法では時間がかかり過ぎて、5割を取るのがやっとという感じでした。

 そこで、勘定科目を英表記したり、略字を用いたりして、仕訳の迅速化を図りましたが、延びて7、8点。

 さらに、仕訳を書く方法は、漏れはないかと不安になり、慎重になるが余り、かえって時間を浪費するという悪循環に陥ったのでございます。

 そこで、ワタクシは、簿記の大原則を捨て、いかに早く、かつ正確に得点するにはどうしたらよいのかを考え、逆進的発想を用いることにしました。

 つまり、簿記一巡の最終段階である財務諸表の各項目は、どのような取引から構成されているのかを考え、それらをピックアップし、ノートにまとめ暗記したのです。

 具体的には、

○棚卸資産

 P+S

△期末棚卸資産に含まれている未実現利益

△持分法(アップストリーム)×持分割合

 という感じです。このあたりの書き方は、皆様の趣向に合わせて頂ければ宜しいかと思いますが、基本は覚えやすいかどうかだと思われます。

 ワタクシは、この方法を用いて演習を行った時に、まだ未完成であったにも関わらす、9割以上を得点し、時間も、仕訳を用いる方法の凡そ半分でした。

 この後、演習で未知のものが出た場合に、その都度、書き足していき、本試験前には逆進的解答法を完成させ自信をもって望むことができました。

 まとめさせて頂きますと、2つ以上の企業を1つにするにはどうしたらよいのかを念頭に置き、逆進的発想で連結財務諸表項目の各取引を列記し、それを覚え、演習を行うというのが、ワタクシが行っていた連結会計の勉強方法です。

 とにかく、この方法は、理解面及び演習面で大幅に時間の短縮が可能ですので、連結で行き詰まっている場合に、ぜひ一度、試してみてください。驚く程の効果があると思われます。

 これ以外にも、細かいところで幾つかの工夫をしていきましたが、それはまた後ほど。

 以上、カマキリColumnでした。

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